デジタル庁:ガバメントAI「源内」を用いた行政実務用RAGの解説
デジタル庁は、業務文書をAIに参照させる「行政実務用RAG」の機能と活用事例を公開した。
デジタル庁は、業務効率化を目的としたガバメントAI「源内」の機能「行政実務用RAG」についての解説を公開した。行政機関では、マニュアルや報告書といった膨大な文書の参照に時間を要し、特定の担当者に知識が偏る「属人化」が課題となっている。「行政実務用RAG」は、検索拡張生成(RAG)技術を用い、あらかじめ登録した業務文書をAIに参照させることで、情報の整理、分析、比較、要約を可能にする。利用者が質問を入力すると、AIは関連情報を抽出し、回答の根拠となったファイル名やページ番号を提示する。これにより、マニュアル検索の手間を省き、問い合わせ窓口の負担を軽減できる。
具体例として、デジタル庁が開発した二つのアプリが挙げられている。
1. 「EASY質問応答-RAG」:行政文書の電子的管理システム「EASY」のマニュアルや質問集を登録し、起案方法などの操作手順に関する質問に回答する。ただし、回答には誤りや抜けが含まれる可能性があるため、最終確認は利用者が行う必要がある。
2. 「文書管理質問応答-RAG」:デジタル庁内の規程やガイドラインを登録し、SNSへの掲載情報が行政文書に該当するかといった組織のルールに関する疑問に回答する。規程に基づいた回答を生成することで、組織全体でのルール遵守と業務の属人化防止に寄与する。
デジタル庁は、府省庁などの希望に応じてこれらのアプリを開発する事業を行っている。開発を希望する場合は、デジタル庁への依頼と参照用業務文書の提供が必要である。対象は複数府省庁での利用が見込まれるアプリであり、開発されたアプリは原則として「源内」上で公開される。
本文書は、デジタル庁が提供するガバメントAI「源内」を前提としている。対象読者は主に府省庁の職員であり、行政事務における業務効率化と組織内の知識共有の仕組みについて解説している。また、本アプリの開発依頼は複数府省庁での利用が見込まれる場合に限られており、情報の取り扱い範囲については各府省庁のルールに従うことが求められている。
- 自社の業務において、特定の担当者に依存している知識や手順はどれほどあるか?
- 自社の業務文書やマニュアルをAIが参照可能な形式で整理・管理できているか?
- 業務上の判断を行う際、AIが提示した根拠を最終的に確認するプロセスをどのように構築できるか?