連邦政府機関による規則制定プロセスとパブリックコメント省略の実態
米国会計検査院(GAO)による報告書。連邦政府機関が規則制定時にパブリックコメントを省略する「正当な理由(good cause)」の適用状況を分析した。
連邦規則の制定プロセスにおいて、政府機関は通常、最終規則の発行前に規則制定案の公示(NPRM)を行い、パブリックコメントを求める義務がある。しかし、そのプロセスが実行不可能、不必要、または公共の利益に反すると判断される「正当な理由(good cause)」がある場合、政府機関はこの要件を省略し、プロセスを迅速化できる。例えば、自然災害や公衆衛生上の緊急事態への対応時などがこれに該当する。
GAOが2013年1月20日から2025年1月20日の間に発行された主要な暫定最終規則を調査した結果、約71パーセントの規則で政府機関が迅速な規則制定の理由として「正当な理由」を挙げた。これは、NPRMなしで発行された主要な規則の77パーセントが「正当な理由」を挙げていたとする2012年のGAO報告書の結果と一致する。
GAOは、2020年と2021年のCOVID-19パンデミックのピーク時に、迅速な規則制定の使用が増加したことを明らかにした。2013年1月20日から2025年1月20日までの非パンデミック期間においては、年間2から10の主要な規則がNPRMなしで発行されており、使用頻度に大きな変動はなかった。パンデミック中、政府機関はCOVID-19への対応として55の規則を迅速に発行し、そのうち41の規則について「正当な理由」を挙げた。
また、GAOが調査した規則のうち、66パーセントについては政府機関が経済的影響について報告を行っていた。COVID-19関連の規則については、緊急時の性質上、こうした情報が含まれる可能性が低かった。GAOが調査した暫定最終規則のうち、99パーセントで政府機関はパブリックコメントを求めており、94パーセントの規則でコメントが寄せられた。これは、NPRMなしで発行された主要な規則のうち63パーセントでコメントが求められていたとする2012年のGAO報告書の結果と比較して増加している。
なお、政府機関は食品や健康へのアクセス確保などの目的を達成するため、年間平均で2000を超える最終規則を発行している。
この文書は、米国の連邦政府機関による連邦規則制定プロセスを対象としている。2013年1月20日から2025年1月20日までの期間における主要な規則および暫定最終規則の発行事例を前提としている。米国会計検査院(GAO)が、政府機関による「正当な理由(good cause)」の適用とパブリックコメント要件の省略状況を評価するために実施した調査に基づく内容である。
- 自社が影響を受ける業界規制において、パブリックコメントが省略される緊急時の判断基準は明確化されているか?
- 過去の事例において、経済的影響に関する情報が含まれない規則は、どのような緊急事態に関連して発行されているか?