GOV.UKにおける新しい出版アプリケーション「Content Block Manager」の試行
英国政府のデジタルサービス(GDS)は、コンテンツを再利用可能な形式で管理する新アプリケーション「Content Block Manager」を導入した。
GOV.UKは政府の公式ガイダンスを提供する信頼性の高い情報源であり、GDSおよび各省庁のコンテンツデザイナーや出版担当者が、正確で事実に基づいた情報を迅速に更新できることが不可欠である。GDSは現在、コンテンツを最小単位に分解し、その意味や利用方法を定義して構造化する「コンテンツモデリング」に取り組んでいる。これにより、ウェブサイトおよびアプリの利用者に対して迅速に情報を提供し、デジタル政府のビジョンを実現することを目指している。
この取り組みの一環として、GDSは「Content Block Manager」という新しい出版アプリケーションを試験的に導入した。この開発には情報アーキテクトが関与し、「オブジェクト指向ユーザーエクスペリエンス(OOUX)」の手法を採用した。これにより、コンテンツをページや段落ではなく、税金、政策、法律、ビザといった「オブジェクト(物)」として扱う。従来、これらの情報に変更が生じた際は、掲載されているすべての箇所を手作業で更新する必要があった。新アプリケーションは既存のアーキテクチャと統合され、意味情報が付与された小さな「ブロック」の作成と再利用を可能にする。
Content Block Managerは、既存の出版アプリケーションであるWhitehallの技術を基盤としている。出版担当者は「ミニスキーマ」で定義されたブロック型からコンテンツを作成する。例えば「税金」ドメインのブロックには、タイトル、説明、タイプ、開始日、終了日、レート、閾値などが含まれる。ブロック作成時には埋め込みコードが提供され、それを各ページに挿入する。ブロックの内容が更新されると、そのコードが配置されたすべての箇所で情報が自動的に更新される。また、変更のプレビュー、変更履歴の作成、公開日時の予約といった機能も備えている。
実証試験として、毎年変更が発生する「年金」ドメインを選択した。Basic State Pension(基礎国家年金)のレートを表示するテキストをブロックに置き換え、GOV.UK内の4ページ、計11箇所に挿入した。2025年4月にレートが変更された際、Content Block Managerで新しい値を公開したことで、すべての掲載箇所で自動的に情報が更新された。手作業による更新と比較して、効率性が82.5%向上したと算出された。現在ではNew State Pension(新国家年金)のブロックも追加されている。
今後は「連絡先(電話番号、メールアドレス、住所など)」および「税金」ドメインのコンテンツモデリングを進めている。「連絡先」については、各省庁の担当者向けにプライベートベータ版として公開し、情報の更新を容易にする。さらに、他省庁が自らのコンテンツドメインをモデリングするための支援やガイダンスの提供を開始する。また、コンテンツモデリングの初期段階において、データサイエンスや情報アーキテクチャ、コンテンツデザインの観点からAIをどのように活用できるかの検討も始めている。今後作成されるコンテンツモデルは、Content Block Manager内で利用可能にする予定である。
本文書は、英国政府のデジタルサービス機関であるGDSが運営するGOV.UKのコンテンツ管理システムに関する報告である。GDSが策定した近代的なデジタル政府のブループリントに基づき、各省庁のコンテンツ担当者が情報を管理・更新する業務プロセスを前提としている。文書内の記述は、2025年4月の年金レート変更の実績や、2026年4月13日時点での更新情報を含んでおり、政府機関内でのウェブ出版の効率化を目指す体制下で作成されている。
- 自社で発信している情報のうち、複数のページで重複して掲載されている項目はどれか?
- 情報が更新された際、すべての掲載箇所に反映させるための工程を何段階経ているか?
- 現在管理しているコンテンツを「オブジェクト」として定義し直した場合、最小単位の構成要素にはどのような種類があるか?