米国退役軍人省における電子健康記録近代化プログラムの現状と課題
米国退役軍人省(VA)による電子健康記録近代化(EHRM)プログラムの進捗状況と、GAOが勧告した改善項目への対応状況を報告する。
米国退役軍人省(VA)は、過去20年間で3度の失敗を経て、2017年に4度目となるレガシー健康情報システムの近代化計画「電子健康記録近代化(EHRM)プログラム」に着手した。GAOはこれまで、この取り組みにおけるVAの直面する課題について報告を行ってきた。GAOはこれらの報告の中で、コスト見積もり、スケジュール、プログラム管理、ユーザーの導入と満足度、および運用テストの改善に向けた18の勧告を行った。このうち12項目については、将来のシステム展開を成功させるために不可欠であるとして「優先勧告」と位置づけている。2026年8月時点で、VAは18の勧告のうち14項目を完全には実施していない。
GAOの勧告に対する実施状況(2026年8月時点)の内訳は以下の通りである。
GAO-25-106874(2025年3月発行)では、勧告総数3のうち、優先勧告が2。内訳は優先勧告の未実施(open)が2、実施済み(closed)が1。
GAO-23-106731(2023年5月発行)では、勧告総数10のうち、優先勧告が10。内訳は優先勧告の未実施(open)が6、優先勧告の一部実施(partially implemented)が4。
GAO-22-103718(2022年2月発行)では、勧告総数2のうち、優先勧告が0。内訳は未実施(open)が1、実施済み(closed)が1。
GAO-21-224(2021年2月発行)では、勧告総数2のうち、優先勧告が0。内訳は実施済み(closed)が2。
GAO-20-473(2020年6月発行)では、勧告総数1のうち、優先勧告が0。内訳は未実施(open)が1。
2025年3月、GAOはVAが5つの初期拠点において改善を実現したと報告した。しかし一方で、課題解決に向けた同省の行動が、プログラムの総コスト見積もりおよびスケジュールに影響を及ぼしていると指摘した。これを受けてGAOは、コスト見積もりとスケジュールを更新するよう、2つの優先勧告を追加で行った。
本文書は米国会計検査院(GAO)が発行した、米国退役軍人省(VA)の電子健康記録近代化(EHRM)プログラムに関する調査報告である。前提として、2017年に開始された同プログラムが過去のレガシーシステムを刷新する目的で進行中であり、2026年8月時点においても、GAOが過去に行った18の改善勧告のうち14が未完了であるという現状を基点としている。文書は、VAがプログラム管理上の課題を抱え、それがコストとスケジュールに影響を与えているという立場から記述されている。
- 自社の大規模なシステム刷新プログラムにおいて、外部機関や監査役から出された重要勧告の達成状況はどのように追跡されているか?
- システム展開の遅延やコスト増加が発生した際、その要因とコスト見積もりの再検討プロセスを誰が管理しているか?