GOV.UKにおけるAPIの刷新と今後の方向性について
英国政府のGOV.UKが、マルチチャネル対応に向けたAPI刷新とGraphQLの導入検討、管理体制の変更に着手した。
Government Digital Service(GDS)内のGOV.UK Publishing Serviceは、政府コンテンツの作成、管理、共有を支援する部門であり、8つのパブリッシングアプリケーションと複数の支援ツールを管轄している。これらシステムは2,300人以上の公務員によるコンテンツ運用を支えており、コンテンツの保存や公開を担うPublishing APIなどのAPI群も維持管理している。従来のAPI設計はウェブサイト向けであり、単一ページのコンテンツを最小限のリクエスト数で提供することに最適化されていた。しかし、GOV.UKは現在、GOV.UKアプリを含む複数のデジタルチャネルに展開しており、今後は他プラットフォームとの統合も検討している。多様なチャネルでコンテンツを最適化し、パーソナライズされた体験を提供するためには、柔軟かつ堅牢で統合の容易なAPIが必要となる。
このため、APIを単なる技術要素ではなく「製品」として捉え、管理体制を刷新する。具体的には、ドキュメントの改善、信頼性およびセキュリティの向上を図る。また、認証方式についても将来のマルチチャネル展開を前提に、開発者にとって簡素かつ安全で柔軟な仕組みへの進化を検討している。技術選定の面では、GraphQLの導入を深く調査している。GraphQLは、必要なデータのみを正確にリクエストできるクエリ言語であり、マルチチャネル対応やデータ構造の明確化、主要プログラミング言語への対応、コンテンツ管理システムにおける適合性などの利点がある。この取り組みはまだ初期段階であり、検証を継続している。また、API利用者の実態把握も進めており、利用者の属性や開発目的、課題を明らかにすることで、優先順位付けやニーズへの合致、利用者とのコミュニケーションを図るとしている。現在は利用者向けアンケートを実施し、フィードバックを求めている段階である。
本文書は、英国政府のデジタルサービス機関であるGovernment Digital Service(GDS)が、自らが提供するGOV.UKのコンテンツ配信基盤を今後どのように発展させるかという方針を示したものである。対象はGOV.UKのAPIを利用している、あるいは利用を計画しているユーザーである。記載されている内容は2,300人以上の公務員が利用する現在のパブリッシングシステムと、そのAPIアーキテクチャの現状から、将来的なマルチチャネル展開を見据えた刷新へと向かう過渡期のものである。
- 自社が外部公開しているAPIにおいて、データ構造の明確化や利用者の目的に応じた柔軟なリクエストを実現できているか?
- 自社のAPIを技術的なインターフェースとしてだけでなく、利用者の体験を向上させるための「製品」として管理できているか?
- 現在公開・利用しているAPIについて、利用者が誰で、どのような課題を抱えているかを把握できているか?