地方公共団体基幹業務システムの標準化・ガバメントクラウド移行の現状
デジタル庁は、自治体の基幹業務システム統一に向けた標準仕様書の改定スケジュールを更新した。移行対象のうち約3割が特定移行支援システムとなっている。
デジタル庁は、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化に関し、データ要件・連携要件標準仕様書の令和8年9月末改定スケジュール(予定)の資料を更新した。これまでの背景として、各自治体が個別最適化したシステムを運用してきたことで、人的・財政的負担の増大やクラウド利用の阻害、住民サービス向上の遅れといった課題が指摘されている。少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少を見据え、国と地方が連携してデジタル技術を効率的に活用するため、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律(標準化法)」が2021年に成立・施行された。
本法では、標準化対象となる20事務を特定し、自治体が利用する情報システムを「標準準拠システム」へ適合させる必要がある。デジタル庁は、基本方針の策定を主導し、制度所管省庁へ作業方針等を示して標準仕様書の改善を支援している。また、国が整備する全国的なクラウド環境「ガバメントクラウド」の利用を推進し、共同利用によるコスト削減やセキュリティ向上、ベンダーロックインの回避を目指す。目標として、移行完了後にシステム運用経費の2018年度比3割削減を掲げている。
2026年3月末時点で、移行対象となる全34,366システムのうち、10,013システム(29.1%)が「特定移行支援システム」となっている。これは、メインフレームや個別開発システムでの運用、事業者による開発撤退・リソース不足などにより、2026年度以降の移行が必要とされるシステムを指す。デジタル庁はこれらのシステムに対し、概ね5年以内の移行完了を目指し、関係省庁と連携して支援を行っている。
共通機能や非機能要件についても、ガバメントクラウド活用を前提とした仕様整備が進められており、「地方公共団体情報システム非機能要件の標準【第1.2版】」では、自治体の規模やリスク受容方針に応じて裁量でレベルを選択可能とする見直しが行われた。今後も共通機能等課題検討会を通じ、リファレンスの作成や事例共有を行い、円滑な調整を図る方針である。
本文書は、2021年に成立・施行された「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」に基づき、デジタル庁が地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化を推進する枠組みについて記述している。想定読者は地方公共団体の実務担当者やシステム開発・導入に関わる事業者であり、2026年8月20日時点の状況を前提としている。地方公共団体が国策として標準準拠システムへ移行し、ガバメントクラウドを活用することを求めている。
- 自社のサービスが、標準化対象となっている20事務のどの標準仕様に該当し、どの版の要件を満たす必要があるか?
- 自社が提供するシステムは、特定移行支援システムに該当する技術的・運用上の要件を保持しているか?
- ガバメントクラウド環境において、自社のアプリケーションが「共通機能標準仕様書」および「非機能要件の標準」の適合性を維持するための体制は整っているか?