DOGEのWall of Receiptsにおける節約額の算出根拠と透明性の欠如
米政府効率化省(DOGE)が公表する節約額について、会計検査院(GAO)が調査。算出手法の不透明さや実績の乖離を指摘した。
政府効率化省(DOGE)は、2025年2月17日に「Wall of Receipts」と称するウェブページで推定節約額の公表を開始した。2026年7月7日時点で、Wall of Receiptsは契約、助成金、リースにわたり110 billion ドルの節約を報告している。しかし、一部の推定値は不正確であるか、根拠となる証拠が欠如している。DOGEは推定節約額に関する情報を提供しているものの、いくつかの問題が報告された節約額の透明性と信頼性を制限している。
DOGEは節約額の算出に用いた手法について透明性を欠いていた。具体的には、DOGEは契約の終了として報告された節約額の大部分において、自ら掲げた算出手法を用いていなかった。助成金については、DOGEが報告した節約額の96 パーセントについて、その算出手法を検証するために十分な情報が提供されていない。同様に、Wall of Receiptsにはリース終了による節約額がどのように算出されたかの説明が含まれていない。
Wall of Receiptsには、DOGE設立以前に終了が決定されていたリースが含まれている。具体的には、Wall of Receiptsで終了対象として識別された264件のリースのうち108件、金額にして合計53.5 million ドルの節約額のうち約15.3 million ドル分は、DOGE設立の時点で既に終了手続きが進められていた。
GAOが一部の契約を調査したところ、潜在的なコスト削減は確認されたものの、報告された節約額の根拠が不明なケースがあった。例えば、DOGEは国防総省の国防保健局による、世界中の700を超える医療施設におけるITサービス契約について、1.7 billion ドルの節約を報告した。DOGEは当初この契約を終了対象として識別したが、最終的に契約の終了、または範囲、価値、資金の削減に向けた措置は講じられなかった。したがって、節約は達成されていない。
Wall of Receiptsには報告された節約額の基となるデータや情報源に関する一部の情報が含まれているが、データ品質に影響を与える制約事項を十分に開示していない。
本文書は、米国政府機関である政府効率化省(DOGE)の業務および成果報告を対象としている。2025年2月17日から2026年7月7日までの期間における、DOGEが公表した節約額の推計とその算出根拠の妥当性について、米国会計検査院(GAO)が監査の立場から検証を行っている。文書は、政府の支出削減策という文脈において、公開されたデータがいかに不透明な手法で算定されているかを指摘し、改善を促す構成となっている。
- 自社が対外的に公表している数値の算出ロジックについて、第三者が検証可能な根拠資料を保持しているか?
- 外部要因や既定路線により発生した成果を、自社の直接的な施策による成果として計上していないか?
- 一度公表した目標や実績値に対し、施策の実行結果が伴わなかった場合に修正や開示を行うプロセスを設けているか?