米国の農林業における気候関連の病害虫リスクと対策の現状
米農務省は病害虫の気候リスク対策が不十分であり、関連予算と人員が削減されている。GAOは全国的な評価と戦略の策定を提言する。
米国農務省(USDA)は、農地や森林における病害虫の気候関連リスクに対する強靭化の取り組みをほとんど進めておらず、それらを支える資金と人員も減少している。2023年後半、USDA当局者はGAOに対し、病害虫のリスクが部門内のあらゆるレベルの気候レジリエンス計画に完全には組み込まれていないと回答し、将来的に統合する計画であると述べた。当時、USDAが農家や土地管理者に提供していた個別の病害虫に関する情報や技術支援は限定的であった。一例として、USDAのClimate Hubsは、気候変動が特定の病害虫に与える影響に関する研究を一部支援し、サザンパインビートルなどの潜在的な発生リスクを予測するモデルを開発した。しかし、農家や土地管理者が病害虫の気候関連リスクを管理できるよう情報や支援を提供する主要プログラムであるClimate Hubsなどは、スタッフが減少し、計画的な予算削減に直面している。2026年4月、GAOはこれらの削減の状況と影響について更新情報を要求したが、同省は回答を避けた。
GAOが関連文献の分析および専門的な利害関係者へのインタビューを行った結果、国家戦略の策定と実施が、農地や森林の気候関連病害虫リスクに対する強靭性を高めるために有益であると示された。気候関連のリスクを特定・評価するための全国的な評価は、強靭化に向けた国家戦略を策定するための必要な第一歩である。全国的なリスク評価に基づく国家戦略があれば、USDAは農家や土地管理者が強靭性を高めるために必要な情報を確実に得られるよう、効果的にリソースを配分できる可能性がある。また、気候関連リスクに対する連邦政府の財政的な曝露を制限することにも寄与し得る。
本文書は、米国会計検査院(GAO)が米国農務省(USDA)の施策を評価・監視する立場から作成した報告書である。前提として、米国における気候変動が農林業に及ぼす病害虫被害の管理をUSDAが主導する制度が存在する。記述の時点は2023年後半から2026年4月にかけてであり、USDAが実施するClimate Hubsなどのプログラムや、連邦政府による予算配分および人員配置の現状を評価の対象としている。
- 自社が抱える事業リスクに対し、それを包括的に評価する国家レベルまたは業界標準の評価基準が存在するか?
- 現在利用している外部の情報支援や技術支援のプログラムにおいて、予算や人員の削減計画が示されているか?
- 自社の気候変動に対する強靭化計画の中に、病害虫リスクに関する具体的な項目が網羅されているか?