米陸軍の戦場ネットワーク近代化:計画とコスト情報の課題
米陸軍は戦場ネットワーク近代化を推進しているが、詳細なスケジュールや長期的なコスト見積もりの欠如が、2032年までの全軍配備目標の達成に向けた進捗評価を困難にしている。
米陸軍は、戦場ネットワークの近代化に向けた2つの取り組みを進めている。短期的アプローチである「Command and Control Fix (C2 Fix)」と、長期的アプローチである「Next Generation Command and Control (NGC2)」である。これらには、現代の大規模な戦闘作戦に適応可能で、生存性が高く、指揮統制を強化する目的がある。
陸軍はC2 FixとNGC2の開発において、反復的なビジネスケースの重要な要素の一部を取り入れている。例えば、柔軟な取得手法を採用し、ユーザーからのフィードバックを収集して、市場状況や製品能力の変化に応じた変更を行っている。しかし、これらの取り組みの拡張性を評価するために必要なその他の主要要素の実装については、重要なステップを踏んでいない。
具体的には、以下の点が挙げられる。
第一に、陸軍はNGC2の短期的なスケジュールを2027会計年度まで策定し、2032会計年度末までに11個師団および4個軍団にNGC2の技術スタック全体を配備するという暫定的な目標を掲げている。しかし、どの部隊がどの会計年度に近代化された能力を受け取るかを特定した詳細なスケジュールが作成されていないため、この目標期限を守れるかどうかを評価できる状況にない。
第二に、陸軍は大統領の2026会計年度予算案を裏付ける文書において、2026会計年度までのNGC2のコストを合計約33億ドルと特定している。しかし、取り組み全体を通じたライフサイクルの初期コスト見積もりが完了していないため、長期的なコストの可視性が限定的である。
詳細なスケジュールと長期的なコストデータが欠如していることは、2032年までに全軍へNGC2を配備するという暫定的な目標を達成するために必要な時間とリソースがあるかどうかを評価する能力を制限している。この情報の空白は、現代の大規模な戦闘作戦において現場の兵士が必要とする、安全で信頼性の高い通信へのアクセスを確保する上でリスクとなっている。
本文書は米国会計検査院(GAO)が作成したものであり、米陸軍が進める戦場ネットワーク近代化計画(C2 FixおよびNGC2)を対象としている。前提となっているのは、大統領の2026会計年度予算提出に向けた文書および、2027会計年度までの短期スケジュール、ならびに2032会計年度末を最終的な配備目標とする計画である。本稿は、陸軍が採用している柔軟な取得手法や反復的なビジネスケースの枠組みにおいて、拡張性の評価に必要な情報の欠如を指摘する立場を取っている。
- 自社の長期的なプロジェクトにおいて、達成目標年次までにどのリソースをどの順序で配分するかを明示した詳細なスケジュールは作成されているか?
- プロジェクト全体のライフサイクルを網羅した初期コスト見積もりは完了しているか?
- 現在の進捗を評価する上で、不足しているデータや情報は何か?