EU・ウクライナ連帯レーンの最新状況(2026年7月)
2022年5月に開始されたEU・ウクライナ連帯レーンの2026年7月時点の利用実績と貿易額、運用状況を報告する。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、EUはウクライナおよびモルドバと共に2022年5月に「EU・ウクライナ連帯レーン」を立ち上げ、鉄道、道路、内陸水路による輸出入経路を確立した。2026年7月の実績として、ウクライナの輸入の約90%(黒海経由は約10%)が連帯レーンを利用している。非農産品の輸出については約95%が連帯レーンを経由し(黒海経由は約5%)、穀物、油糧種子および関連製品の輸出については約20%が連帯レーンを経由している(黒海経由は約80%)。
ウクライナ税関の記録によれば、2022年5月以降、連帯レーンを通じたウクライナの輸出量は合計で約230 million トン(Mt)に達した。その内訳は、農産品が約103 million トン(うち穀物、油糧種子および関連製品が約95 million トン)、非農産品(鉱石、鉄鋼および関連製品を含む)が約127 million トンである。2022年5月以降の穀物、油糧種子および関連製品の輸出総量の内訳は、連帯レーン経由が40%、ウクライナの黒海港経由が60%となっている。また、同期間の連帯レーンを通じたウクライナへの輸入量は約111 Mtであり、燃料、車両、肥料、軍事・人道支援物資などが含まれる。
2022年5月以降の連帯レーンを通じた貿易総額は、約304 billion ユーロと推定される。このうちウクライナの輸出額は約78 billion ユーロ、ウクライナへの輸入額は約226 billion ユーロである。
連帯レーンは、欧州委員会、関係当局、および輸送コミュニティの緊密な協力の下で運営されている。ボトルネックの解消、交通管理の改善、国境手続きの効率化、インフラや物流機器への投資を通じて、輸出入の維持を図っている。2023年8月以降、ウクライナは独自の黒海回廊を立ち上げており、2026年7月にはこの経路で約2.4 Mtの穀物、油糧種子および関連製品が輸出されている。
本報告書は、2022年5月に開始された欧州委員会、ウクライナ、モルドバによる共同プロジェクト「EU・ウクライナ連帯レーン」の2026年7月時点の活動状況に関するものである。ロシアの侵攻に伴うウクライナの海港封鎖という極めて特殊な戦時状況を前提としており、これら代替輸送ルート(鉄道、道路、内陸水路)を通じた貨物輸出入の統計と貿易額を扱っている。文書は欧州委員会運輸総局(DG MOVE)が発行し、EU加盟国、ウクライナ、モルドバの当局およびビジネス関係者の協力を対象としている。
- 自社が現在利用している代替物流ルートにおいて、ボトルネックが発生した際の代替案をどのように策定しているか?
- 物流ルートの構成比が急激に変化した場合、自社の貿易決済額やキャッシュフローにどのような影響が生じるか?