公的個人認証サービス(JPKI)の民間事業者向け導入ガイド
マイナンバーカードを活用した本人確認サービス「JPKI」の仕組み、導入方式、手続き、最新の利用状況を解説する。
公的個人認証サービス(JPKI)とは、マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を用い、オンラインで本人認証や文書の改ざん検知を行うサービスである。行政機関のみならず民間事業者も導入可能であり、2026年8月31日時点で1,411社が利用している。導入により、顧客は書類の準備・郵送コストや記入の手間が削減され、事業者は受付・審査作業の負担を軽減できる。
本サービスは「公的個人認証法」に基づき、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)が運営し、高いセキュリティ水準を保持する。導入方法は2つある。第一は「プラットフォーム事業者(PF事業者)」になる方法であり、自ら署名検証設備を整備し、主務大臣の認定を受ける必要がある。第二は「サービスプロバイダ事業者(SP事業者)」として、認定を受けたPF事業者に署名検証業務を委託する方法である。SP事業者は自社で設備を整備する必要がないため、安価かつ迅速な導入が可能である。PF事業者になるための手続きには、技術仕様等の入手から認定取得まで6か月から1年程度を要する。
利用料は従量課金制で、署名用電子証明書は20円/1件、利用者証明用電子証明書は2円/1件と設定されている。ただし、2023年1月より当面の間、これら手数料は無料である。
また、電子証明書には「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の2種類があり、用途や保持情報が異なる。有効性の確認方式には、失効情報を定期的にダウンロードする「CRL提供方式」と、リアルタイム照会を行う「OCSPレスポンダ方式」が存在する。
2023年5月16日からは「最新の利用者情報(4情報)提供サービス」が開始され、顧客の同意を得ることで最新の住所・氏名等をオンラインで照会可能となった。また、マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載も順次進められている。
本文書は、デジタル庁が日本の民間事業者向けに、公的個人認証法に基づくサービス導入を案内するためのものである。前提として、マイナンバーカードの保有および利用を基盤としており、制度の根拠を電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律に置いている。2026年9月18日時点での情報を基に構成されている。
- 自社が顧客の本人確認業務において、JPKIの「プラットフォーム事業者」として設備を整備すべきか、あるいは「サービスプロバイダ事業者」として外部委託すべきか?
- 自社の現行の事務フローにおいて、JPKIの導入によって削減可能なコストはどの範囲に及ぶか?
- 最新の利用者情報(4情報)提供サービスを利用するために必要な、顧客からの同意取得プロセスを自社の既存システムでどのように実装するか?