英国インフラ・サービス変革庁(NISTA)による主要政府プロジェクト年次報告書(2025-2026)
NISTAが発表した2025-2026年度の報告書は、政府の重要プロジェクトの進捗とリスク管理の現状を分析している。
英国のインフラ・サービス変革庁(NISTA)は、2025年7月13日に「主要プロジェクト年次報告書 2025-2026」を公表した。この報告書は、2026年4月に実施された政府主要プロジェクト・ポートフォリオ(GMPP)の刷新に向けた、政府の複雑かつ戦略的に重要なプロジェクトの進捗と遂行の確実性を分析している。
2025年4月1日から2026年3月31日までの期間において、プロジェクトの遂行状況を評価した。2026年3月末時点での評価の内訳は、グリーン(遂行の見込みが高い)が29プロジェクト(15%)、アンバー(遂行が実現可能)が109プロジェクト(58%)、レッド(遂行に懸念)が34プロジェクト(18%)となっている。なお、17プロジェクト(9%)は評価の対象外である。レッド評価のプロジェクトは、ポートフォリオ内で最も野心的かつ複雑なプログラムが多く、軌道修正に向けた深い支援を受けている。報告期間中に18プロジェクトがアンバーからグリーンへ、1プロジェクトがレッドからグリーンへと改善した。
同期間中に42のプロジェクトがGMPPから離脱した。内訳は、目的を達成したものが26、報告基準を満たさなくなったものが8、後継プロジェクトと入れ替わったものが1、早期終了が7であった。離脱したプロジェクトのうち、17はグリーン評価、21はアンバー評価であった。
NISTAは今回、新たに「メガプロジェクト」分類を導入した。これは通常、全期間のコストが10 billion ポンドを超え、複数の議会期間にまたがる複雑かつ戦略的に重要なプログラムを指す。対象として「サイズウェルC(Sizewell C)」、「HS2」、「ドレッドノート(Dreadnought)」の3プロジェクトが指定された。
リスク管理強化のため、既存のGMPPデータを利用し、レッド評価への移行リスクを早期に特定するAI駆動型の「早期警戒システム(Early Warning System)」が導入された。また、2025-2026年度のポートフォリオは189プロジェクトで構成され、全期間コストの合計は924.2 billion ポンドであり、プロジェクト期間中に603.6 billion ポンドの金銭的利益が提供される見込みである。
本文書は、英国政府が所管する主要なプロジェクトおよびプログラム(GMPP)の遂行状況に関する年次報告である。対象期間は2025年4月1日から2026年3月31日までであり、2026年4月1日に実施されたポートフォリオの刷新(81の主要プロジェクトへの絞り込み)直前の状況を扱っている。プロジェクトの評価は、NISTAが提供する指標に基づき実施されるが、最終的な責任と説明責任は各プロジェクトを担当する各省庁が保持する仕組みとなっている。また、文書内の金銭的数値は、英国国家統計局の2024/25年度デフレーターを用いた実質価格で示されている。
- 自社の主要プロジェクトにおいて、遂行のリスクを早期に検知するための基準や指標は、いつ誰が定義しているか?
- 現在進行中のプロジェクトが、当初の計画目標を達成したと判断する基準やプロセスは文書化されているか?
- 社内のプロジェクト評価において、評価結果がプロジェクトの成否を確定させる判断ではないと認識するための仕組みはあるか?