米国国土安全保障省における内部告発者保護と報復調査の遅延について
米国会計検査院(GAO)による報告書。国土安全保障省(DHS)監察官室(OIG)による内部告発者の報復調査の遅延と、その後の是正措置決定における期限遵守の不備を指摘する。
米国会計検査院(GAO)の調査によれば、国土安全保障省(DHS)監察官室(OIG)は、内部告発者に対する報復申立ての適時な調査を確保できていない。2018会計年度から2025会計年度の間に開始および完了した73件の事例のうち、過半数にあたる39件の調査に3年以上の時間を要している。OIG当局者はGAOに対し、事案の複雑さと限られた人員が調査期間に影響を与えたと説明した。また、OIGは適時性よりも調査の質と徹底を重視してきたと述べている。OIGの規定では内部告発者の報復申立てを適時に審査することが求められているが、OIGは適時性の基準を具体的かつ測定可能な用語で定義しておらず、適時性の評価も行っておらず、説明責任を強化し適時な調査を確実にするための仕組みも導入していない。適時性を改善することは、申立人の個人的、経済的、職業的な困難を軽減し、内部告発者の保護が優先事項であることを示す一助となり得る。
2018会計年度から2025会計年度において、OIGは上記の73件のうち11件について報復があったと認定(substantiated)した。国土安全保障長官は、法律で義務付けられているOIG報告書の受領から30日以内に、これらの事例に対する是正措置を講じるかどうかの決定を行わなかった。2026年5月時点において、長官は5件について是正措置を講じることを決定したが、残る6件については決定を行っていない。これら11件は、長官の決定を待つまでに4か月から2年を超える期間を要した。DHS当局者はGAOに対し、案件が適時に審査されることを保証するためのプロセスや担当官は存在しないと回答した。長官が未決の6件に対して是正措置を決定し、今後の認定事例における迅速な決定を保証する措置を講じない限り、報復が認定された内部告発者は、適時な人事上の回復措置を受けられない状態が続く。これはDHSの内部告発者保護に対する信頼を低下させる可能性がある。
本文書は、米国国土安全保障省(DHS)およびその監察官室(OIG)を対象としている。対象期間は2018会計年度から2025会計年度までであり、2026年5月時点の状況を反映している。文書は、内部告発者保護に関する規定や法的な是正措置決定の期限遵守という枠組みを前提に書かれている。
- 自社において、内部告発者からの報復申立てを調査・処理する際の具体的な期限や指標は設定されているか?
- 外部からの指摘や内部調査によって是正措置の必要性が認定された場合、その決定を下すための責任者とプロセスは明確に規定されているか?